特別講演

医療資源の少ない遠隔地における遺伝医療提供体制

北海道大学病院 臨床遺伝子診療部 教授 山田 祟弘

北海道大学大学院医学院臨床遺伝学・医療倫理学教授(兼任)

北海道大学病院パーソナルヘルスセンター副部長(兼任)

日本人類遺伝学会(専門医,指導医,理事,評議員):遺伝医学セミナー実行委員会委員、Journal of Human Genetics編集委員(Associate Editor)、利益相反委員、GMRC制度委員会担当理事、臨床遺伝専門医制度委員(委員長)、PGT-M小委員会委員(副委員長)、日本遺伝カウンセリング学会(専門医,指導医,理事,評議員)他多数

*CLoCMiPレベルⅢ 選択研修 (受講証明書発行予定)

*日本専門医機構認定講習 産婦人科領域講習

ワークショップ

妊娠・出産期女性の身体変化を支える!

~新たな多職種連携アプローチを目指して

妊娠期間中の女性の体は、重心の変化に伴い姿勢が変化します。特に、腹部が大きくなるにつれ、背中が反り、骨盤が前に傾くことで腰に過度の負担がかかり、多くの妊婦で腰痛が発生します。一方、骨盤底筋の弱化は特に産後の女性に頻繁にみられます。妊娠と出産の過程での骨盤底筋の過度な伸長や損傷によるものであり、短期的・長期的に尿失禁などの問題を引き起こします。助産師は、妊娠・出産期の女性のケアにおいて中心的な役割を果たしており、上記のようなともすれば「マイナートラブル」とされてきた諸症状に対応してきました。

一方、理学療法は主に整形外科やリハビリテーション分野で利用されていますが、産科領域ではほとんど活用されていないといってよいでしょう。腰痛に関しては、理学療法士による介入で、適切な体位の指導や筋肉強化エクササイズを通じて、予防や症状緩和することが可能となります。骨盤底についても、専門的なトレーニングにより筋肉を強化し、尿失禁のリスクを減少させQOLを向上させることが期待されます。

本ワークショップでは、助産師、看護師、理学療法士、医師がそれぞれの専門的視点を活かし、妊娠中及び産後の女性が直面する身体的課題に対する新たな多職種連携について模索します。今後、各職種が協力しながら共通の目標へ向けた取り組みができるようになる契機にしたいと考えます。

座長:北海道大学保健科学研究院 創成看護学分野 准教授 近藤 祥子
        同 リハビリテーション科学分野 教 授 寒川 美奈

1.切迫早産治療による安静の影響について 

北海道大学病院リハビリテーション部 西嶋 愛

2.北大病院の取り組みからみえる、妊婦に対するリハビリテーション導入に必要なチーム医療と産科看護職の役割

北海道大学病院産科病棟 伊勢 カンナ

3.妊娠中及び産後の尿失禁

勤医協札幌病院副院長 産婦人科科長 西岡 利泰

4.産後のマイナートラブルに対する地域予防事業の取り組み ~姿勢・動作に着目して~

札幌円山整形外科病院  岡谷内 みのり